make a story with you in futako-tamagawa

MISSION

ソーシャルギフトを
あらゆるギフトシーンへ



障がい者が働く福祉作業所と生み出した物語を、多くの人に届けたい。





 引き菓子などのお菓子の詰め合わせは、一度に多くの方に贈られます。そして、そのお菓子は家族や友人で分けあいます。パッケージに添付された障がい者アートのカードはメッセージカードとして、また誰かに贈られるかもしれません。こうして、ギフトの贈り、贈られるという行為の中に、障がい者との物語が織りこまれていくわけです。


私たちはこれを「ソーシャルギフト」と呼んでいます。もともとギフトの語源には「天から授けられた才能(神からの贈り物)」という意味があるそう。ギフトとは、どんな障害や特性であっても、それを受け入れ共に暮らしていく共生社会にむけた大切なキーワード。私たちは「ソーシャルギフト」が、あらゆるギフトシーンに活用されることで多様性を認めあう社会をつくりたいと思っています。

私たちが取り組む社会課題

 福祉作業所(就労支援継続支援B型事業所)における平均工賃は月額約14,000円(平成24年度)。障害者年金とあわせ、およそ4〜5万の工賃を得られないと自立が難しいといわれています。そのためには自主生産品の商品力向上と販売拡大が必要。ただ、福祉作業所の職員はあくまで福祉のプロであり商品開発のプロではありません。また、その多くが手作りのため生産効率が悪く原価は高くなりがち。結果、卸価格の設定ができないコスト構造で、大手流通との契約も難しい状況にあります。また自主生産品は地元のバザーなどで販売されますが、他の大量生産品との競合上、低価格になりがちです。結果、新たな商品開発の原資を捻出できず、職員は日々忙しい福祉業務の中で細切れの時間を使いながら開発にあたっています。


 ある福祉作業所の職員は「帰宅時に奇声をあげた障がい者を、地元の方がいぶかし気にみる」といいます。福祉作業所と周辺地域には目に見えない心のバリアがあるのでしょう。障がい者が自立していくためには工賃向上に加え、 “いかにして地域に溶け込むか?”も、地域で暮らしていく市民として大切な要素です。


 そこで、私たちは、”障がい者ではできない” ではなく ”障がい者だからできる”という逆転の発想で、こうした課題に取り組んでいます。福祉作業所がおかれた環境も、視点をかえればバリューあふれるものになる。そこにむけたアプローチが「ソーシャルギフト」なのです。

私たちのアプローチ

地域には特産品をつかった引き菓子、お歳暮、お中元、内祝、香典返しなどのギフトニーズがあります。それらは社名を入れたり、挨拶文をいれたり、オリジナルの詰め合わせにしたりなど大量生産には難しいオリジナリティが求められます。これ、手作りで製造していれば充分に対応できること。そして、カスタマイズにより単価もあがり、価格競争に埋もれず正当な対価をいただくことができます。また、CSRの一環として社会貢献をかねた商品を選定する事例も多い。地産地消の志向も拡がる中、”地元の福祉作業所”の商品は大きな可能性を秘めているのです。


また冠婚葬祭向けのギフトは事前に予約をいただくことができます。少量生産の福祉作業所でも、納期があれば充分に対応できます。そして、福祉作業所は毎年多くのバザーを地元で行っています。視点を変えれば”地元の顧客との接点”を有しているということ。福祉作業所はギフトニーズを受注しうる地元のネットワークがあるのです。


こうして、地元の顧客からの受注が進めば、障がい者との物語が地元に伝播し、工賃向上と障がい者に対する理解が自分ごとや地域ごととしてひろがっていくはずです。

私たちの工夫と連携

私たちは「ソーシャルギフト」という活動を広げるため、様々な工夫と連携をしています。そもそもは商品そのものがおいしくなければギフトとしての価値がありません。「焼き菓子ホロホロ」(※)はパティシエと福祉作業所が協同して2年以上の歳月と味覚の科学的検証(※)をしながらつくりあげた自信作です。


また、パッケージデザインは障がい者とデザイナーがコラボレーションしてつくりあげたアートを印刷したポストカード(※)と汎用的なパッケージ素材を組み合わせています。これにより、お祝いにあわせたアートを印刷したり、お客様の予算に合わせて詰め合わせるなど様々なギフトシーンに合わせたカスタマイズが可能となります。焼き菓子とポストカードの製造は福祉作業所が担い、お客様ごとのカスタマイズはデザイン事務所である株式会社グラディエが対応しています。


連携している福祉作業所には、地元のバザーで「焼き菓子ホロホロ」の小口販売をしていただいています。お試しで買っていただいたお客様が「おいしい」と感じていただければ、いつかギフトとしてご活用いただけるものと思っています。


(※)焼き菓子ホロホロについて
http://www.futacolab.jp/story/story_detail/story_06.html
(※)対象者の目の動き(瞳孔の拡大収縮、視点の動き、見つめる時間の長さ)や顔の特定部位(目、眉、口角など)の変移を計測・解析することで、対象者の反応を数値化する「感性判定解析システム」を使った焼き菓子の味覚評価を実施。  出展元:「フタコマダム」の消費行動分析へ-モニター女性の反応計測(二子玉川経済新聞)
(※)ポストカードは世田谷福祉作業所が紙パックを再利用して手漉きしているエコプロダクトでもあり、障がい者の手作業の風合いを感じる質感の高い商品です。

私たちの活動のひろがり

Ⓒ cocoroe, inc.

そもそも、この事業は障がい者からの気づきがきっかけです。ある日、聴覚障がい者が窓ガラス越しで手話で会話をしているのを見て「手話って便利なツールなんだ」と感じたことや、視覚障がい者が「写ルンです」をコミュニケーションツール(※)として使っている事例に感心するなど、障がい者は”大きな気づきを与えてくれるパートナー”だと思ったのが、根底にある想いです。


そして、デザイナー片山典子さん、デザインユニット NIZYUKANO、パティシエ 石橋鈴香さんと共に活動を始め(※)、世田谷区立世田谷福祉作業所と手漉きカードの製造、社会就労センター「パイ焼き窯」と焼き菓子の製造を連携させていただくこととなりました。今では、二子玉川ライズの竣工祝賀会・慰労会(※)の引き菓子として採用いただいたり、結婚式の引き菓子、香典返し、内祝など様々なギフトシーンでご活用いただくようになりました。


そして「世田谷区産業表彰 産業連携・マッチング表彰」の受賞(※)、公益信託世田谷まちづくりファンド「キラ星応援コミュニティ」の採択などの評価をいただき、また、障がい者アーティストの夢を応援したいという思いから、おがたりこさんのパリ個展の夢の支援(※)にも取り組んでいます。




(※)「写ルンです」は、シャッター、フィルムの巻き上げなど全ての操作が触覚と音で分かるようになっています。また、通常のオートフォーカス付のカメラはしっかりと被写体に向けないとシャッターが押せませんが、「写ルンです」はパンフォーカスという手前から遠景までピントがあいシャッターが押したいときに押せる構造になっています。旅行先の雰囲気を言葉と写真で家族に伝えることで、よりその状況が伝わるようです。
(※)フタコラボの道のり(2012年〜)
http://www.futacolab.jp/story/story_detail/history.html
(※)障がい者アーティストの”夢”支援商品が「二子玉ライズ」竣工・開業を記念した引き出物として選定 
http://www.futacolab.jp/press_release/002.html
(※)平成27年度 世田谷区産業表彰 区長特別表彰 産業連携・マッチング 地域デザインブランド「futacolab」が受賞 
http://www.futacolab.jp/press_release/003.html
(※)障がい者アーティストの夢をかなえる応援プログラム公式ページ「りこの海外アート展デビューを応援しよう。」 
http://www.futacolab.jp/riko.html

事業名「フタコラボ」の由来

フタコラボ(futacolab)は、フタコタマガワ(東京都世田谷区二子玉川)、コラボレーション(協同)、ラボラトリー(研究)を組み合わせた造語です。二子玉川の感度の高いお客様層にも支持いただけるような商品を目指し、またメンバーが同地区周辺に働き暮らしていることから名付けました。”フタコ”と地名を入れたのは、自分ごとや地元ごとして息の長い活動にしていきたいから。いつの日か地元の定番商品として、子どもや孫の世代まで語り継がれるものにしていきたいと思っています。


ロゴデザインは、”新しい物語を孵化していきたい”という思いから、鳥の巣をアレンジしています。様々なコラボレーションからどんどん新しい物語を紡ぎ、「ソーシャルギフト」というカルチャーを育てていきたいと思っています



地域デザインブランド「futacolab」一同